東洋医学　「血」　要点解説　病理変化　血虚　瘀血　

要点

血（けつ）は、脈内を流れる赤い液体であり、人体の組織を栄養する基本的物質です。東洋医学でいう血はほぼ動脈血に相当します。

血の生成は、消化、吸収により飲食物から取り入れた水穀気と呼吸により大気から取り込んだ清気とが脈中で会し、営気の作用により赤色の血となる。営気とは、脈中にあって血を生成し、血を脈中に回らす気のことです。

東洋医学でいう血は、各組織を滋養する物質であり

さらに血は脈中循環する津液（体液）などを含んだ液体としてとらえられている。

血は脈中を流れ身体各部に栄養と酸素を与え全身の組織を滋養するとともに体液を運び、各組織に潤いを与える。また、血は生命活動の基本的物質であると考えます。

血の主な病理変化には、

脈中の血液が不足する血虚

脈中あるいは脈外で血が滞る瘀血がある。

血虚は、脈中の血の不足によって起こる一連の病理変化である。

組織を十分に滋養、滋潤することができなくなった病態です。

血虚によって引き起こされる症状の特徴は、組織の栄養障害とそれに基づいた機能障害です。

代表的な症状は、筋痙攣、めまい（眩暈）、視力障害、爪の変化、月経血量の減少、などです。

瘀血は、脈中の血が停滞するか、脈外に出て固まったことによって起こる一連の病理変化です。

本来、血は脈中を流れ滞ることがなく、また脈外に漏れ出ることはありません。

しかし

何らかの原因で瘀血が発症すると比較的激しい病的状態が引き起こされます。

代表的な症状は、激しい固定性の痛み、循環障害、出血、腫瘤などです。

瘀血ときたら激しい固定性の痛み。

です。